「夢うつつ」を生きる現代人

ユルかしこい身体になる 整体でわかる情報ストレスに負けないカラダとココロのメカニズム」から。

 

 

胸の中心が過敏な反応を繰り返す現代人は、呼吸も浅く、息を吸いすぎて誰もが過換気状態になっている。そのため意識が解離的=夢うつつの状態になっているのだが、解離的意識は、ある意味、人間の宿命かもしれない。

 

 

人は自分を外側から見る意識が飛び抜けて過剰な動物だ。人間は、自分と他者の間、生態系の間にも強固な境界線を作った。そして、自分自身をも他者として外側から意識し、コントロールしようとしすぎて悩み、過剰な欲望も抱いてしまった。このような人間の本質の上に今日の過剰な情報環境が加わり、誰もが解離的意識の中で暮らす世界が出現してしまったのだ。

 

 

身体の外側に意識の中心が出てしまい、何をやっていても自分が自分でないような感じがする=解離とは意識状態としては不安そのものであり、生き物としてニュートラルな状態から大きく外れている。本来は、意識が身体の中に棲んでいる=無心であることが生き物としては一番安心できる状態だといえる。

 

 

 この本は整体師から見た現代人と言う感じで書かれているのですが、本当におすすめです。情報社会の中で生きる現代人。情報社会の中で、自分の意識が身体からどんどん離れていっていることを指摘しています。

 

一番のポイントは、身体と意識が離れた状態で何かを追いかけても幸せにはなれないということです。

 

そういう解離した「夢うつつ」を生きる現代人にとって、本当の自分がどこにいるのかが分からない。若者が「自分探し」をしたくなるのもなんとなく頷けます。これも進化の過程で発達しすぎた脳のおかげとも言えるのですが、その「夢うつつ」を離れて本来の自己に戻ることを目指しているのが「禅」の思想ではないでしょうか?

 

 

ユルかしこい身体になる 整体でわかる情報ストレスに負けないカラダとココロのメカニズム

ユルかしこい身体になる 整体でわかる情報ストレスに負けないカラダとココロのメカニズム