それもまた良しホトトギス


ホトトギスの鳴き声

 

私が生まれ育った山では、この時期ホトトギスの鳴き声が聞こえます。この声を聞くと田舎の風景を思い出します。鳥の鳴き声って、風景に情緒を与えてくれるんですよね。

 

松島や 鶴の身をかれ ほととぎす (曾良

 

これほどまでに壮大で感嘆させる松島なのだから、松島には鶴が一番似つかわしい。そこで鳴いているほととぎすよ、いっそのこと鶴の姿になって飛んでみてはどうだ。奥の細道芭蕉とともに歩いた曽良日本三景の松島で詠んだ句です。

 

 

曽良は、この美しい松島には優美な鶴がふさわしいと思ったのでしょうか?確かに松島の風景には鶴が飛んでいるのが絵的にはベストマッチですよね。自分は情景と言う意味では、ホトトギスの方が好きかなとは思いますが…(^^);。

 

ホトトギスといえば、戦国時代に天下を争った信長、秀吉、家康の三人を例えた川柳も有名です。「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」みたいなやつですね。それで、ウィキペディアを見ていたら、経営の神様・松下幸之助もそれらしい川柳を詠んでいたことを知りました。

 

鳴かぬなら それもまた良し ホトトギス (松下幸之助

 

ホトトギスが鳴かなくてもいいではないか。それが自然なのだから。鳴かないからと言って、自然に逆らって鳴かそうとするとするとロクなことにはならない。本当。そうだよね。いいじゃないか。ホトトギスが鳴かなくても、鶴にならなくても…。

 

今度行く町にもホトトギスは鳴いているのかな。