退職③

この4年間与えられた仕事を誠実にしてきたつもりだ。恥ずかしい仕事は一切していない。だけど、退職してしまった。

前の記事で書いたように、この仕事はお客さんとの信頼関係が一番大切であると思っている。お客さんに対する責任感だけで仕事を続けてきたようなものだ。だけど、退職してしまった。

前任の所長は40年この仕事をしてきて、それを自分のような新人営業マンが引き継ぐのだ。お客さんから、簡単に信頼を得られるわけがない。最初は自分の知識不足を怒られたり、八つ当たりされたりしたこともあった。本社のミスで怒られたとしても、一生懸命誠実に対応した。そして、少しづつ信頼してもらえるようになった。だけど、退職してしまった。

せっかく築いた信頼。それを裏切ることに罪悪感を感じてしまう。自分の会社には罪悪感を感じないが、お客さんには罪悪感を感じてしまうのだ。だから、なかなか退職を強行できなかった。

退職を申し出てから1年以上残って、後任に仕事を教え、引き継ぎをして、やるべきことはやった。後任がイマイチ覚えが悪くて、全然仕事できないけど、やるべきことはやった。後は会社が解決すべき問題なのだ。

こういう、自分が犠牲になれば丸く収まる問題を、どう考えるのか?自分のやりたいことを我慢して、自己犠牲を払い続けるのか?やっぱり、いつかは区切りが必要だ。だからこそ、自分を信頼してくれたお客さんに恥ずかしくない人生を歩みたいと思う。